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金融検査マニュアル廃止後のお金の借り方は・・

2020年9月10日

少し古い話になりますが、金融検査マニュアルというものが、昨年12月で廃止されています。

長らく金融機関マニュアルをバイブルのようにしてきた金融機関にとって、金融検査マニュアルが廃止されるということは、
ビジネスモデルの転換を図らなければならなくなる
ということを、意味しています。

今年は春先からコロナ一色となり、金融機関マニュアルが廃止後の方針・・・をノンビリ打ち出している暇は
各行なかったと思います。
ですが、今年末から来年にかけて、コロナが徐々に収束してくれば、融資方針が変更となる金融機関も、
順次現れてくるかもしれません。

マニュアル廃止後に、金融庁が金融機関に求めていること

金融機関マニュアルの廃止されたことで、金融庁が金融機関に求めていることは、
「ビジネスモデルの多様性の発揮が求められる時代への対応」
ということになります。

金融庁の考え方の具体的なものとしては、下記です。

ちょっと長いですが、金融庁が出している「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方(案)」
より抜粋したものです。


「かつては、国内の資金不足のため、資金ニーズが高く、金融機関が貸出先を選択することができたが、
近時は、金融を巡る環境が、人口減少・高齢化の進展、低金利環境の長期化等、大きく変化し、
金融機関間の金利競争が続き、金融機関が貸出先から選ばれる時代となっている。

また、近時は、金融サービスの受け手のニーズは、借入だけではなく、販路開拓、人材関連、
経営者の資産運用や資産形成、事業承継、M&Aなど、多様化している。

このような環境下で、様々な顧客のニーズに応えるため、自行の強みを活かし、
顧客との関係性(リレーション)により、事業への理解を深めて、コンサルティング機能を発揮しつつ、
資金ニーズに対応する等、独自の取組みを行っている金融機関も増えている。

こうした動きは今後も広がることが考えられる。

例えば、一部の金融機関では、単なる資金の貸付けにとどまらず、顧客に付加価値を提供する取組みや、
かつてのように財務データや担保・保証の有無を過度に重視した融資から、貸出先の事業の将来性や
将来のキャッシュフローから、返済可能性を評価した融資のあり方に立ち戻るような取組みが見られる。

さらには、創業支援の場合に、銀行自らリスクテイクすることが難しいが、成長が見込めるような顧客に、
ベンチャーキャピタルや投資ファンドを紹介することや、顧客企業の商流拡大について助言する等、
融資に留まらない様々な取組みも始まっている。」

具体的に金融機関が取り組むべきこととは!

金融庁が金融機関に求めているのは、2つです。

ひとつは、事業性評価融資への積極的な取り組み、もうひとつは、積極的な本業支援です。

金融庁は、金融検査マニュアルにおいて、「決算書の内容や担保・保証人を踏まえ、
取引先を格付けしなさい。そして、格付けの高い先にのみ融資するように」
としていました。

そのため、以前は、債務超過や、2期連続赤字であるような会社は、なかなか融資をしてもらうのが難しかったのです。
金融検査マニュアルは、金融不安を抑える効果があった反面、担保や保証への依存を生み、
審査の目利き力を衰えさせてしまいました。

このような金融検査マニュアルが融資の土台にあったため、当時は、どの金融機関も同じような融資方針で臨むしかなく、
融資における金融機関の独自性を発揮することができませんでした。

しかし、金融検査マニュアルが廃止になると、各金融機関は生き残る為に、地域性やビジネスモデルに沿った
独自性を発揮せざるを得なくなります。

  (1)事業性評価融資とは??
事業性評価融資とは、決算書の内容や担保・保証人だけで判断するのではなく、
事業内容や成長可能性等を評価して融資することを言います。

この事業性評価により、今まで赤字決算や債務超過で借りられなかった企業が、
融資してもらえるようになりつつあります。


金融検査マニュアル時代の融資は、過去の実績(決算書の内容、担保、保証等)が重要でしたが、
事業性評価融資は、将来の見込み(事業の将来性や代表者の資質等)が重要となってきます。
 
(2)金融機関による本業支援とは??
金融機関の取引先企業の付加価値を高めるためのお手伝いのことを言います。

具体的には、取引先企業の売上や利益を増やすためのお手伝いや、その阻害要因となっている経営課題を
解決するお手伝い
のことです。

金融機関が本業支援を行うことで、取引先企業の収益力を高め、新たな投資を行えるようにすることで、
その投資をするための融資額を増やすことを目的としています。
 

事業性評価融資を行うためには、金融機関は、取引先に対して、当該企業の事業性や、将来性、成長可能性等を
把握する必要があります。
取引先企業の実態を把握するためには、金融機関担当者の「情報収集能力」と「情報分析能力」が
とても重要となります。

金融機関には当然優秀な行員さんも多くいらっしゃいますが、担当社数が多く、
なかなか1社に相当の時間を避けないこともあります。
また、能力やる気の面で、残念な行員さんもいることは事実です。

皆様がたは、担当の行員さんを選ぶことはできませんし、キチンと自社に関しての情報収集や分析を
お願いすることは出来ても、自社社員ではありませんので、業務命令をすることはできませんね。
そんな時には、担当が悪い!!というのではなく、皆様が自らある程度まとまった形で、情報を
渡す必要があります。

その1つが、事業計画です。
是非、1度自社の強み・弱み・売れ筋商品や販路、コロナの影響の有無、影響があればそれを打破する
活路を考えて、事業計画を作ってみて下さい。