リスクマネジメントとしての借入
2021年5月22日
2020年3月から、日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付がスタートしました。
その2か月後の5月から、いわゆるゼロゼロ融資という、民間金融機関による実質無利子・無担保融資
が開始しました。
日本政策金融公庫は、2020年の4月中旬以降は、面談まで数か月待ち・・という状況が続いていました。
経営者の方の中には、日本政策金融公庫しか借りたことがなく、民間金融機関と融資取引を行ったことがない
という方も多くいらっしゃいました。
そんな民間金融機関と取引のない経営者の方々が、至急の資金調達を希望したので、
どこかコロナ融資をお願いできるような金融機関を紹介してもらえないか・・というご相談を
頂くことがありました。
実は懇意にしていない企業の優先順位は低い!!
2020年5月以降の数か月、民間金融機関も、既存取引先の融資申請への対応で手一杯の状態でした。
金融機関は業法上、定められた日の定められた時間に店を開けなければならないとされていて、
全員がコロナになっちゃったので、この店は当面閉鎖します!と言うことは許されていません。
コロナ感染対策として、輪番制などを取っていた所も多かったようです。
そのため、申請は平時以上にガンガンくるのに、平時よりも少ない人数で業務をこなさないといけなかったのです。
そんな状況ですので、
既存先への対応を優先すれば、今まで取引のない事業者からの
新型コロナ融資を利用したいという要望は後手に回ってしまいます。
無借金経営は、時にリスクにもなる
また、無借金経営で何十年も活動している会社も多くあります。
そのような会社は、平時には、金融機関の側から
「是非うちと、お付き合いして頂けないでしょうか」
「こんないい条件が出せるので、是非お金を借りてもらえませんか」
と、声をかけられたこともあると思います。
ですが先述のとおり、どれだけ財務内容がよくても、今回のような有事には、既存取引先が優先され、
これまで付き合いが無かったところは、どうしても後回しにされてしまいます。
日ごろから金融機関との濃い接点がないため、非日常な事態が起こると無借金経営が仇となることがあります。
少額でもいいので借金して金融機関とのパイプを作る
金融機関側からすると、融資があるからこそ、会社と深くつながることができるという側面が確かにあります。
何故かと言うと、融資があれば、少なくとも年に一度は決算書をもらうことができます。
それだけでも、その企業の財務内容を把握することができます。
また、融資があれば貸出先を訪問する大義名分を見つけやすいため、頻繁に訪問することも可能です。
そうやって会う回数が多ければ多いほど、関係性は強化され、いざというときに力になりやすいのです。
ですので、
事業者側としては、リスクマネジメントとして、そのパイプをつなげるために、
少額でもいいので借りておくことをお勧めします。
もし今すぐ使う必要ない資金であれば、何も無理やり使わずに、定期預金にして当該金融機関に預けておく
と言う方法があります。
そうすると、より関係性は強化されます。
確かに金利はかかりますが、いざというときの保険として考えれば、決して高いものではないのではないでしょうか。
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