その節税対策は、正しいですか?
2021年7月28日
今月初めの日本経済新聞に、下記のような記事が出ていたのを、ご覧になった方も多いと思います。
「財務省が7月5日に発表した2020年度の一般会計決算概要。
国税収入は60兆8216億円(従来見込み額55兆1250億円)となった。
18年度の60兆3564億円を上回り、
2年ぶりに過去最高を更新。
消費税増税に加え、新型コロナウイルス禍を受けた巣ごもり需要や米中経済の回復を背景に
法人税収が上振れ、基幹3税(所得税、法人税、消費税)はいずれも前年度から増加した。」
コロナの緊急対策での一時支援金や月次支援金の申請をしないと、資金繰りが苦しい・・という
経営者の方がいらっしゃる一方、法人税や所得税の税収が上回るということは、業績が回復して、
黒字になり税金を納めている方も出てきた・・ということが読み取れます。
少しずつ業績が回復してくると、よく頂くご質問やご相談は、節税をした方がいいのか、
どうするのがよいのか?ということになってきます。
節税対策の是非
「利益を抑制して、税金を抑えたいのだがどうだろうか?」
決算月の前月頃には、おおよその着地が見えてきます。
利益が結構出ている場合、経営者の方の頭は、税金も増えるぞ → → 節税か?という
思考回路が生まれます。
誰しも、払わなくてよい税金は払わないで済ませたいと思いますよね。
このお気持ちは、よーく分かります。私も、心情的には同じです。
では、先ほどのご質問に対しては、どの様な回答になるのか・・と言いますと・・
「これから税金を少なくするための合法的な方法としては、経費を増やすということになります。
経費を増やす場合、ほとんどがキャッシュアウトを伴います。
つまり、税金も減るけど、お金も減る・・ということになります。
何も考えずに、ただ税金だけ減らそうとすると、来期使う資金もなくなってしまいます。
そのため、 将来的に会社に最低限必要な資金を想定し、必要になるだろう資金調達額を見越した上で、
会社の純資産額や、自己資本比率が保てるのか、現在の安全な経営のための現預金額が保てるのを見極めて、
それが大丈夫であれば、節税と言うことを考える方がよいです。
実は、闇雲な節税対策をするよりは、現状に対して税金を払った方が、資金繰りが苦しくならない
ということもあります。(税金は約3割とすれば、7割は手元に残りますので)」
節税ありきで経営や決算を考えることは、税に行動を縛られてしまい、本来の経営として、
望ましくないように思料します。
節税のデメリット
前段でも記載しましたが、節税というのは、方法は多数あっても大概、 何かを購入し、
支払うことで、利益を翌期以降へ繰り越す ことで行われます。
つまり、 節税をすることは、今の現預金が減ってしまい、 純資産が積み上がらないという
状況を生み出します。
どちらも、資金繰りとしてマイナスとなります、なにより 純資産がゼロ~極小ですと、
借入の際に厳しい見方をされてしまいます。
いや、昨年緊急融資を申し込んだが、そんなことなーにも言われなかった!という反論が
聞こえてきそうですが、それはコロナ対策として、緊急時の対応をしているからです。
平時に戻れば、現状のようなユルユル審査はないです。
例えば、将来的にも融資を得るつもりがない、融資がなくてもやっていける・・ということでない限り、
100万円の節税のために1000万円の融資を得る可能性を潰してしまうのは、もったいないように思います。
では、節税に取り組んでもいい場合とは?
個社諸事情が違いますので、絶対ではありませんが、例えば・・の一例をあげるならば、
下記のような状況であれば、節税を考えても、今後の経営に大きなマイナスにはならないかもしれません。
・自己資本比率ならば最低20%、出来れば30%以上ある
・現預金水準としては月商最低4カ月分、できれば6ヶ月分以上ある
自己資本比率が20%を超えてくるまでは、 毎年利益をある程度計上し、税金を多少納付してでも
現預金を手許に確実に残す方が安全に思います。
このコロナ禍の厳しい状況でも、利益が出ることは経営として、とても素晴らしいことです。
それを、安易に節税に走ってしまう前に、立ち止まって考えて頂ければと思います。
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