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数値計画作成のコツをこっそりお伝えします!

2022年5月7日

現実的に支出可能な経費から作成すると、とってもスムーズなんです。
これが❤コツ❤です。

お客様の新規事業計画書の作成をお手伝いしました。
ある商品を仕入れてインターネットで販売する事業です。

以下、お客様とのやり取りです。

私:どれぐらい売れば黒字化する見込みですか?

お客様:売上によって原価や経費が変わりますので、計算に苦労しています。

300万円の売上高でも経費を抑えれば利益は出ますし、
500万円の売上高だと経費も増えるので逆に赤字になる場合も・・・・

私:売上を基準に考えるより、経費を基準に考えてはいかがでしょうか?

まずは、いくら売れそうかではなく、現実的にいくら原価や経費をかけられるかを
検討してみましょう。
家賃や正社員の人件費など、売上がゼロでも必ずかかる費用は、どれぐらいでしょうか?

お客様:月100万円ぐらいでしょうか。

私:では次に、商品の粗利率はどれぐらいでしょうか?

お客様:20%は取れると思います。
ただ、モールの手数料が5%、広告費が5%ぐらいかかります。

私:では粗利率10%で計算しますね。

固定費100万円÷粗利率10%が損益分岐点となります。
1,000万円の売上で利益トントンとなりますが、固定費100万円の陣容で
1,000万円の販売は、可能でしょうか?

お客様:いえ、今の人数だと500万円ぐらいが精一杯です。

私:そうですか。
では、固定費をもっと下げることは、可能でしょうか?

お客様:人件費が大きな割合を占めますが、人員を減らすのは嫌ですね。

私:それでは粗利率を上げるしかないですね。
仮に粗利率を15%で計算すると、売上高が667万円で利益トントン、
20%だと、500万円で利益トントンです。

お客様:なるほど。
粗利率が10%上がれば、半分の売上で黒字を確保できるのですね。
仕入先を見直すなどして、何とか粗利率を上げる策を講じてみます。

私:承知しました。 今回の事業に投資できる資金は、700万円ですね。
固定費が月100万円ですので、仮に売上が全く無かったら、7か月で資金が底をつきます。
ですので、何とか半年程度で、損益分岐点売上高500万円を確保したいですね。

お客様:それぐらいの時間があれば、大丈夫だと思います。
確かに売上高から原価や経費を予測するより、実際に投資可能な原価や経費から
売上高を予測する方が、現実的で分かりやすいですね。

ありがとうございます。

よくある売上計画の作成方法として、市場規模の何%を獲得できるかを予測する方法があります。
もちろん一つの手法ですが、売上を立てるためには、先に原価や経費の支出が必要であることを
忘れてはいけません。


資金力に乏しい小規模企業の場合、支出可能な原価や経費を先に算出し、
それを賄うにはどれぐらいの売上が必要か、そして、その売上は実現可能性があるのか。。。
という視点で組み立てていくのが、コツなんです。


何となくは分かったけど、実際にやろうとすると、良くわからなくなってしまう・・という方は、
いつでもお気軽にお声がけください。